人事採用担当者目線の2021年新卒向けの内定式について
2020年10月1日、2021年卒の大学生向けの内定式が各企業で執り行われました。
今年は異例の就職活動であり、内定式も様変わりしています。
2020年内定式のトピックスを、企業の人事担当者目線で纏めてみました。
内定式の目的
まず内定式の目的を整理したいと思います。
そもそも内定式がなぜ執り行われているかというと、学生の決断を促すためです。
例年、10月1日に内定解禁となりますので、10月1日に各企業が内定式を実施すれば、学生は基本的に1社にしか参加できません。
ひとつの会場に集合させることで、物理的に1社の内定式にしか出席できません。
内定式後、懇親会等を実施しある程度の時間を拘束する為、掛け持ちは困難です。
オブラートに包まず本音でお伝えすると人事採用担当者とすると、この目的以外に目的はありません。
特に内定承諾を決断できない大学生に対して『いいかげんに決断してね』と、堂々と決断を迫れる、人事採用担当者にとっては非常に都合のいい1日です。
これにより、2021年4月入社の人数がある程度確定出来ます。
人事採用担当者の2020年10月の内定式の考え方
人事採用担当者にとって2020年度の内定式は、下記の2つの考え方に対して、どちらに重きを置くかでした。
(A)内定式の目的である、10月1日に決断をさせる
(B)新型感染症コロナウイルス感染拡大のリスクを低くする
(A)に重きを置くのであれば簡単です。
例年通り学生を集合させて、内定式を実施すればよいのです。
もちろん会場での感染拡大対策は徹底します。
(B)に重きを置くのは、学生への配慮と世間体に重きを置く場合です。
学生もこの時期に集合して内定式を実施するとなると『えっ集合するの』という思考に少なからずなります。
規模が大きく遠方から集めれば、集めるほど学生の疑念は高まります。
また万が一、そこでクラスターなどが発生した場合、企業へのダメージは計り知れません。
(A)と(B)どちらに重きを置くかで、企業の考え方がある程度わかるはずです。
コロナ禍において集合して内定式を実施する企業
10月1日に決断をさせる完全に前述の『(A)学生に10月1日に決断をさせる』の考え方が強い企業です。
1か所に集合や、エリアごとに分散して開催等、方法はいくつかあるかと思います。
・学生にどう思われても構わない
・クラスターなんて発生しない
上記の考え方が、他の企業よりも強い企業と言わざるを得ないでしょう
web開催する企業
正直なところ、多くの企業がこのスタイルを取ると思います。
一般的に落としどころとしては、web開催に落ち着くはずです。
『(B)新型感染症コロナウイルス感染拡大のリスクを低くする』に重きを置き、それを満たすことが出来ます。
その上で『(A)学生に10月1日に決断をさせる』に対してある程度の効果が出せる開催方法です。
10月に内定式を実施しない企業
正直なところ、この考え方は危険な企業に思います。
可能性としては
・内定式の実施を決められない
・web環境が乏しい
・採用に力を入れていない
・採用が上手くいかず、内定式どころではない
・何が重要で、何が目的なのか理解できない
採用は企業の考え方を映していると私は思っています。
上記のようなリスクは、採用だけでなく普段の業務でも同じなのではないかと思います。
表現を変えると
・大事なことを決められない
・一般企業の動きについていけない
・人を大事にしていない
・入社したいと思える企業ではない
・仕事が場当たり的
もし10月1日に何らかの形で内定式が実施されない場合は、理由を聞くことをお勧めします。
相応の理由があり、10月1日に内定式を執り行いわないのであれば構いません。
2021年卒の大学生のあなたは、どんな10月1日を過ごしましたか。


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